今日は、元嫁の実家に子供達を迎えに行って、遊びに行く予定だったのですが、娘と息子、揃って風邪をひいていたので、大事をとってお出かけは中止にしました。ちょと寂しい・・・
まあ、体調に関してはしょうがないので、気分転換にPCXのフロントフォークのメンテナンスをやっちゃいました。どこかでゆっくり時間を取ってやろうと思っていたので、必要なものはすでに買い揃えてあります。というわけで、
久しぶりに作業解説付きの長文だい。
僕がやりたい事とは、全体的に硬めのサスセッティングにすることです。リアに関しては、シグナス用を流用することで若干の車高上げと、硬めのサスペンションという2点を簡単に実現できているので、残るはフロント周りでございます。一応、考えていたのは、、、
・
【要望1:減衰力&特性を上げる】 フォークオイルを若干硬め&油面を少々高くする
・
【要望2:ストローク&リバウンド量抑制】 スプリングにプリロードを掛ける
・
【要望3:フロント車高を少し下げる】 フォークを突き出して調整する
長くなるので、なぜそうしたいかのウンチクは今日は止めておきます。(^_^;)
作業に関して、【要望1】は単純にフォークオイル交換でカバーできますが、【要望2】と【要望3】は少々工夫が必要です。それでは、作業紹介すた~とぉ~♪
【STEP-1】 まずは、フロント周りをバラす
こんな感じで、センタースタンドを掛けて、車体前方下回りを支えれば、フロント周りは簡単に作業できます。PCXユーザならご存知の通り、初めて整備する所は、鬼のようなトルクで締まっている各ボルト類に注意して、ナメ無い様に緩めます。外すモノと順番は以下の通り。
『キャリパー&ホース固定クランプ』⇒『フロントホイール』⇒『フェンダー』⇒『フロントフォーク』
基本的に、どんどんボルトを外していくだけなので、これは問題なく出来ると思います。
【STEP-2】 フロントフォーク(インナーチューブ)の分解
単純にオイル交換するにしても、社外のローダウンスプリングを組み込むにしても、基本的な作業は同じですので、参考にして頂ければ幸いです。まずはフォークトップの黒い樹脂キャップを外しますが、これは
単に差し込んであるだけなので、軽く揺すれば簡単に抜けます。
次にこれ。Cリングになっているクリップを外します。やり方は色々ですが、共通している事は、
スプリングシートを押し込まないとCクリップが外れないという事かな。僕はT型レンチでグイっと押しています。Cクリップに関しては、千枚通しのような、硬くて細くて尖っているモノがあると楽に取れますよ。写真の通りでございます。
Cクリップを外して、インナーチューブを下げていけば、左写真のようにスプリングシートとスプリングを外せます。この時、スプリングは真っ直ぐ、ゆっくり抜きましょう。フォークオイルが絡み付いていますので、
スポーンと引き抜くと、オイルがダダ漏れして悲惨な目にあいます。。。(^_^;)
右写真は、
【要望2:ストローク&リバウンド量抑制】をやるための小細工です。実際は組み込むときの話なのですが、ここで紹介しちゃいますね。一般的なカラーを、スプリングとスプリングシートの間に挟み込んでプリロードを掛けちゃいます。今後変更するかも知れませんが、今回はお試しセットということで
『5mmカラー』にしました。
ちなみに、
フォーク内径が25mmなので、それより若干小さめの径のカラーを選びます。
さてさて、次にオイルを抜きます。本気でやるならアウターも分解してキッチリやりたいところですが、そんなのバイク屋さんでフォークオイル交換を頼んでも、まずやりません。と言うわけで、ひっくり返してオイルを抜くわけですが、少しでも古いオイルは除去したいので、ピストンに絡み付いているオイルも出てくるように、インナーチューブをゆっくり上下させます。
この時、
必ずゆっくり上下させた方が良いです。早く動かすと中で気泡がたくさん出来てしまい、後々の油面調整の正確性が掛けてしまうので。
はい、ここで一服タイムです(笑)。右写真の様に、オイルパックリなりトレーなりの上に、しばらくひっくり返したまま放置しましょう。くどい様ですが、少しでも古いオイルを除去するためです。
【STEP-3】 油面調整&組み込み
一服し終わりましたか?(^.^) それでは組み込みを開始しましょう。フォークオイルに関しては、完全分解後でない限り、多少なり残有オイルがあるので、注入容量で左右を揃えるのは不可能です。なので、ちゃんと油面調整をすることをお奨めします。
まずは、
規定量より少々少なめで良いので、オイルを入れたらゆっくりとインナーチューブを上下させて、オイルを行き渡らせる&ピストン内部の空気を抜きます。
なぜゆっくり動かすのか、、、は、もう良いか(^^ゞ。抜くときと同じ理由です。
それで、またここで一服しましょう(笑)。気泡をしっかりと抜くためです(左写真)。
次に油面調整ですが、写真の様に油面調整器具を準備できるなら、少し多めにオイルを注ぎ足して、規定油面の長さにセット(中央写真)して、
インナーチューブをしっかり奥まで押し込んで、直立状態で余分なオイルを吸い出して抜きます(右写真)。
規定のオイルレベルは75mmです。今回は
【要望1:減衰力&特性を上げる】をやるために、お試しセットで
10mmアップの『65mm』で油面を取りました。
また、動粘度が保たれるであろう期待をこめて
粘度は10Wのままですがelfのオイルにしました。
【参考】もし調整器具を持っていないなら、細い定規とか割り箸とかで代用できます。
こんなの作っちゃいましょ
解りやすくするために矢印やらを書きましたが、マーキングは自分が解れば良いので、設定したい油面までの長さに線を引くだけでダイジョブです。大前提として、少し少なめのオイル量から開始して、コレをインナーチューブに入れて、少しずつ注ぎ足して確認して、、、という作業を何度か繰り返せば、概ね揃えられます。
少々ずれても、残有オイルが不明のままオイル容量で決め打ちするより、よっぽど正確ですよ。
インナーチューブの中に落とさないようにだけ、十分注意して下さいね。
【参考:終わり】
組み込みは、分解の逆手順ですので写真はカットします。注意点としては、
スプリングに付着している残有オイルは脱脂剤等で綺麗に除去してから挿入しましょう。せっかく揃えた油面が台無しになっちゃうのでね。Cクリップは、入れるのは単純に押し込むだけですから難しくないですよ。最後に、樹脂のキャップをポチッと差し込んで完成です。(^^♪
後は、バラした時の逆手順でフロント周りを元に戻して終了でございます。それぞれの締め付けトルクは、かなりガッツリ締める(笑)という事で(相変わらずいい加減ですな)。
トルク管理に関しては、自己責任でお願いします。m(__)m
-------------------------------
【オプション作業】 DIYで車高調整
だいたい、スクーターは同じような構造になっていて、フォーク固定のボルトが位置決めを兼ねているパターンが定番でして、PCXもこれは同様です。この構造の場合、位置決めが楽チンという半面、任意の高さに調整することが出来ないという欠点があります。
そこで、
Let's Do It Yourself !!
フォーク上部円周上に溝がありますが、実際にはごく一部、ステムに固定するボルトがちょこっとだけ掛かる溝さえあれば取り付けは可能なんですね。そこで、
【要望3:フロント車高を少し下げる】をやるために、今回は
『-10mm』の位置に溝を切りました。
プリロードを5mm掛けたことで1G車高が上がっちゃう分と相殺して、『5mmのローダウン』という事になります。(^-^)
何と言っても溝さえ切れば良い訳ですから、ローダウン量も自由自在(限度はありますが)。
参考までに、
20mmは問題なく下げられるという事が証明されています。
証明してくれた人柱さん(笑)
【要注意:DIY車高調整に関して】
このDIYは、決してメーカー推奨の作業ではありません。
同じように試みる方は、くれぐれも自己責任でお願いします。