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2013年2月14日木曜日

PCX169ccボアアップのトラブル報告

コンロッド、見事にポッキリ (^_^;)

誰も待っていなかったかも知れませんが、一応、お待たせしました。と、言っときます(笑)

誰もチャレンジングな前例を作ってくれないので、いつか壊れる覚悟の人柱街道まっしぐらな僕の、最初の内燃機トラブル報告です。今回は、ちょいと長いですぜ。(^^ゞ


まずは、壊れた状況の構成を簡単に書いておきましょう。

・ カメレオンファクトリー メガトン170KIT
・ PCX150ヘッド + 圧縮比13:1狙いのガスケット構成
・ SP武川スポーツカムシャフト
・ FAZE用35mm口径スロットルボディ + 直ファンネル
・ 9,500rpm付近を変速で常用
・ 伸びきり11,000rpmリミット

あ、プーリーはMFRⅡなので、発進加速時はいつも10,000rpm以上に跳ね上がってますw

スロットルボディはMMR30mm口径も併用していましたが、この構成で最初の100~200kmくらいは特に問題も感じず、180~200ccクラスのシグナス系と同等の速さも出ていました。手前味噌ですが、その根拠としてS-1GPの最終戦も、スクミのSS1/32mileも、車重やタイヤ、僕の体重を考慮すれば、速さという観点では、なかなかのモノだったかと思っています。はい。(^^ゞ


【 トラブルの前兆 】
実は、スクミの時あたりから、冷間アイドリング時の打音が出るようになり、暖気すると消えるという状態になっていました。推測としてはピストンの首振り音。冷間時のクリアランスが少し広いのかな?という推測です。この辺は、現地にいた人には話をしたかと思います。
時間的猶予が無く、そのままスクミ、S-1GP最終戦を走りました。んで、急に連日の現場仕事が舞い込んできたので、メンテナンスする暇も無く年明け。

そして、年明けの走り比べ用に、急遽久しぶりにこのエンジンに火を入れた訳ですが、例の打音が暖気してもアイドリング中は出っぱなしという状態に。少々不安はありましたが、回転上げると打音が消えるし、走行フィーリングも変化なしだったので、走り比べ後に腰上を開けてチェックしよう、、、なーんて思ってたら、その走り比べでボカーンとね、なっちゃった訳です。(^^ゞ

ではでは、事後の状況把握から推測する検証でございます。


【 検証 : コンロッド小端部が事の始まり(と推測) 】
以下に推測の根拠を並べますが、根本原因は別として、最初に壊れたのはコンロッド小端部で間違いないと思われます。一般的にありがちな、ピストン砕けや棚落ち、バルブの傘落ちではございません。写真で見てみましょうか。

はい、見事にポッキリ(笑)

これが『ボカーン』のスタートでしょう。ピストンのキズやスカートの砕けは、折れたコンロッドが叩き壊したと思われます。

なぜか?
はい、次の写真。

見てください、この綺麗なシリンダー内壁。スカートが先に砕けたのなら、キズだらけになってるはずでございます。

反対側も。小さなエクボ痕は、折れたコンロッドが暴れて付けたのでしょう。繰り返しますが、スカートが先に壊れたのであれば、擦動痕になるでしょうからね。

はい、次~♪

解るかな?写真配置でピストンピンより上の、ピストン裏面に、ぶっ叩き跡が。こんなとこのキズ、折れたコンロッド以外に、付けられる人は居ないと思うのであります。(^_^;)

ちなみに、ピストン上面が盛り上がっていました。それほどの衝撃だったようです。

そしてこんなん。まあねえ、クランク軸は慣性で回ってしまいますので、折れたコンロッドが暴れまわって、スリーブ叩き壊したんですね(笑)

そして、ケースも叩き壊して。いやまあ、なんとも見事な暴れっぷりです(笑)

そして、散々暴れたのちに、どこかに引っ掛かったストレスで根元もポッキリ、と思われます。折れたコンロッドは、どこかに遊びに行っちゃった(笑)ようで、ケース内には残っていませんでした。(^_^;)

では、もうちょっと推測の材料となる写真でも。

これはヘッドをめくった直後です。ピストンの固着を見ようと、ピストンを押してしまったので引っ込んでいますが、ほぼ上死点位置に留まっていました。そして、なんか変だと思ったら、約100度ほどピストンが回転してる(笑)

折れたコンロッドに何度も叩かれて、クルクル回っちゃったようですね。これは、最初の写真で本来付くはずのない場所に打痕がある事からも推測できます。

お次はピストン上面。棚落ちどころか、デトネ痕すらありません。結果論として、少なくとも『材質強度』という観点では、カメファクさんの『鍛造』ピストンにウソは無さそうで、なかなか優秀だと思いますよ。

あ、『精度』は別として(爆)

最後にヘッド。インレットバルブがピストンに軽くヒットしたようで歪んでいましたが、幸い、ピストン砕けが無く、バルブ傘も落ちていないので無傷です ♪

後のチェックで、ピストンロケットを喰らった衝撃で僅かな歪みが出ていたのが判明しましたが、許容公差以内の歪みでした。

修正して再利用を試みますw


はい、とまあこんな感じでございました。何か違う推測を想定出来そうでしたら、是非是非ご意見を下さいませ。色々な角度から物事を考えたいので、ご意見大募集です ♪


【 さて、そもそもの根本原因は? 】
コンロッドが弱い。という短絡的な根本原因ではないと思っています。弱いことは弱いと思うのですが、例の打音がタチの悪い激しい首振りだったとすると、継続的に微振動がコンロッドに与え続けられていた事になるので、そうした微振動による金属疲労もひとつの要因じゃないかと、僕は思うわけです。こちらも、絶賛ご意見募集中 (^_^;)

なので、僕はもう一度同じ構成でエンジンを組み直しています。そして、また同じ打音が出はじめたら、今度は即座にエンジン開けて検証してみます。


・・・もし打音が出なかったら?

そりゃもう、最初のカメファクピストンの精度が悪かった、という事でね。www


・・・もし打音も無いのに、またコンロッド折れたら?

そのときは素直に、強化コンロッド入手するまで大人しくしてます(爆)



【 169ccボアアップを考えている方へ一言 】
コンロッドが弱いという事だけが今回の根本原因だとは思っていませんが、だからと言ってコンロッドが強いとも思っていません。僕の狙っているパッケージングは、かなり危険である事に変わりは無いので、もう少しマージン取る事をオススメします。
圧縮比を控え目にするとか、常用回転を低めにするとか、回転リミットを純正レベルに抑えるとか、武川カムは使わずに、さらに低い回転常用でトルクで走るようなセッティングにするとか。

参考までに、武川の169ccやハンター系の169ccは、ほぼ間違いなく同じピストンですが、今回のような打音は今のところ友人含めて発生しておりません。カメファクのピストンスカートが小さい事も、もしかしたら一つの要因かもしれませんね。。。


でもね! 自分で言うのもアレ(笑)ですが、速さを求めるならこの構成は、現在入手できるパーツの組み合わせとしては結構良いと思っています。まもなく、前回とまったく同じ状態で復活させますので、第2期人柱チャレンジをお楽しみに~♪ w

ではでは m(__)m


※ みんカラで頂いているコメントへのリンク ※

9 件のコメント:

  1. 毎回、貴重な人柱情報有難う御座いますm(_ _)m

    やはりカメファクとなると、精度が疑問ですよね、私も2~3点カメファクさんの買いましたが、どれも精度が悪く返品も多々しましたし・・・ピストンクリアランスなんかどうなんでしょうね、考えただけで私には怖くてカメファクさんのメガトン使う勇気ありません(><;)

    P.S
    水曜日に新しいプーリーが欲しくなりMFRさんまで行ってまいりました、MFRプーリーキットⅡいいですね(^^)

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    1. やまさん、どもです。 いえいえ、ある意味、人柱を楽しんでますのでw

      カメファクさんのピストン、実寸でスカート部の径は問題ないのですが、リング付近が少し絞りすぎかなあ?と、思えなくも無いのですけど、このあたりのエンジン工学的な見解を持ち合わせていないので、なんとも判断に迷います。(^_^;)
      まあ、屁理屈も好きですが、やってみてナンボなので、またチャレンジしますよ♪

      おー、Mファクさんに行ける範囲にお住まいなんですか!いずれお会いできれば良いですね!!(^-^)

      MFRⅡは、初期アタリが安定するまでの困ったちゃん具合がハンパない(笑)ので、ある程度の距離を走ったら、リセッティングした方が良いですよ。WR交換によるアタリの変化でも、困ったちゃん振りを発揮するので、惑わされないようにお気をつけ下さい(^_^;)
      まあでも、その困ったちゃん振りを乗り越えてでも使いたい、と、思える変速特性ですので、僕は大好きなプーリーです。

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  2. たいちゃんパパ2013年2月15日 12:50

    首ふりで打音でも、画像で見る限りスリーブに縦傷大きく入ってる感じに見えない???もっとガッツリ縦傷入るイメージです。たいして距離走らないと、こんなもんナンデスカね?
    コンロッドが弱いに一票。なぜなら、PCXのコンロッドが弱くて、僕のBW’Sは大丈夫と強く思いたいからです!!!wwwww
    え~ん(>_<)こんなん見せられたら、怖くて回せないよ~www

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    1. そうそう、そんなご意見を大募集中♪ 縦キズ少ないでしょ?というか、このレベルは普通でしょ(笑) 例えばの推測で、上死点に達したタイミングで『カコカコッ』とピストンヘッドが左右に振れているとか。それだとキズが目立たない。

      もしくは、そもそも首振りだったら、シリンダーがこんなに綺麗な訳がない。という前提で考えると。。。実はスリーブ下部が何らかの要因(製品不良とか)で割れ落ちちゃって、そこにスカートが軽く引っ掛かることで打音がしていたとか。つまりピストンそのものには問題は無かったと。

      こんな感じで、色々考えられるのよね~。 ま、第2期チャレンジで、もう少し明確になることでしょう♪

      コンロッドは強くないけど弱くもない!Bw'sはもっと強いから大丈夫!
      そう信じて、お互い遠慮なくブン回そうぜぇ~www

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  3. 素人なりに、色々想像してみました。 (^^

    アイドリングで出ていた音は、スカートの打音でしょうか?
    圧縮行程での上死点付近で圧縮圧力により
    ピストンスピードが落ちてしまい、ノック音発生?
    バルブスプリング強化によるフリクション増も一因?

    高回転域ではもちろん進角処理されているので
    限界を超えて軽く異常燃焼発生?

    軽くデトネ起こしている程度がパワーが出る
    なんて話も何処かで見たことがあります。 (^^;
    デトカンにて累計時間を管理する方法もあるようです。
    トラブル直前かなりパワーが出ていた…
    の辻褄も合うような気がします。

    ただ、PCXのエンジンでは、異常燃焼の痕跡が残る前に
    クランクが悲鳴を上げてしまうのではないでしょうか?

    もし、上記の可能性があれば、点火遅角してみるか
    オクタン価の高いレース用ガソリンを混合などで、
    異音が消えればそれでしょうし…。

    好き勝手書いてみました♪
    何の根拠もありません。 m(_ _)m

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    1. waioさん、お返事遅くなってすみませんでした。(^_^;)

      同じ燃調で結構走りましたからね、異常燃焼が続いていたら、もっとピストンに痕跡でるような気もします、、、が、4サイクルはイマイチ経験少ないので何とも。。。
      ノック音とも違かったんですよねぇ、、、変な言い方ですが、一定周期の安定した打音でした。

      まあ、デトネーションカウンターやらオシロスコープやらまで持ち出すほどではないかなあ?とは思います。良くも悪くも、たかがスクーターの単気筒。商品開発している訳でもないし、ボチボチ楽しく検証しますよ♪
      僕はけっこう古い人なので、データは程々に、実走ベースで物事考える方が好きなので、データに依存しすぎると迷子になる自信があります(笑)
      屁理屈好きな反面、やってみてナンボのイイカゲンさも共存してます。(^_^;)

      論理的解析はwaioさんに任せたいとも思ったり(笑)

      あ、そうそう、改めてブログ書こうと思っていますが、組み直したエンジンで100kmほど走りましたが、異音は皆無です。うーん、、、という訳で、やっぱり何かしら物理的なトラブルが発生していたと思われます。m(__)m

      また音が出て、エンジン開けて物理的変化が無いようでしたら、waioさんの言葉を思い出して、点火系調整による異常燃焼回避等にもチャレンジしてみますね♪

      ご意見参考になりました、ありがとうございます♪

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  4. 久し振りにこの投稿を自分で見て。。。補足しておきます。

    以後の様々な検証の結果、この時の打音は99.9%カムチェーンのオートテンショナーの不具合だったと思われます。そんなもん、この当時には全然発想に出てきませんでしたよ。(^_^;)

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  5. ピストンピンの話がナイみたいですが?
    …ピストンピン折れなら普通,ピストン~シリンダー割れになりそうなものではありますが
    ※コンロッド小端あたりのトラブルならピストンピンが無事な訳も無さそうだし
    …結論的に,鍛造ピストンが割れるかわりにピストンピン粉砕~コンロッド両端粉砕
    …みたいな気もしますが?
    ※ピストンピンによっては日頃からやけにしなったり金属疲労等に弱そうなピストンとの位置関係なのもアリがちだし?

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    1. コメントに気付かず放置状態になり失礼致しました。。。

      なぜそんなにピストンピンに拘られるのかよく分かりませんが、ピストンピンは抱きつきの気配も擦動痕も無く、歪みも無く、特に問題なかったです。

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