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2016年11月5日土曜日

しくじり先生が語るスーパーコルサV2というタイヤ


通常サイズのバイクでサーキットをちゃんと走るのは約20年ぶりという状況において、タイヤの事なんぞさっぱり分からない僕としては、まずは皆が褒め称えるピレリのディアブロスーパーコルサV2-SC1というタイヤを使ってみました。
約3ヶ月使ってみて、そして寒くなって来てつまらない転倒も経験して、タイヤウォーマーを軽視していた僕のしくじり経験を交え、現時点での僕なりのこのタイヤの理解をまとめておきます。



● 夏場にスーパーコルサV2を初体験
ウォーマー装備は持っていないものの、数周のウォームアップ走行をしてタイヤ温度を測るなどのチェックを繰り返し、夏場であればものの数周で50度を超すウォームアップ性能を確認。タイヤが勝手に走っていると思えるくらいのグリップを感じる。真面目にサーキットを走っていたのが約20年前の自分としては、当時のスリックかそれ以上の印象にびっくり。



● 転ぶ気がしない過信
真夏日だと、リアタイヤの温度が最高で80度付近まで上がった。ここまでの温度になると、熱ダレなのか、アクセルの開け始めで若干のスライドが出やすく感じるが非常にコントローラブル。また、50~60度付近でもアクセルの開け始めの滑り出しは感じ取りやすい。
数回のサーキット走行を通じて、フロントタイヤに関してはまだ全然限界まで使えていないが、リアタイヤのキャラクターからして、まったく転ぶ気がしないと思えるほど良いフィーリングを感じる。この過信が、以後、低温時にあっさり転倒する伏線だったと、今だから思える。



● 茂原東で初転倒(10月5日)
スーパーコルサV2を使い始めて、初めて路面温度20度程度という低い温度での走行。気温も低く、曇り空で路面温度も変化なし。温度依存性が高いタイヤだとは聞いていたため、自分としては必要以上と思えるほど慎重に走り出す。しかし、アウトラップであっさり転倒
茂原東の5コーナー(右)で、アクセルを触った瞬間にリアタイヤが無くなるという感覚で、スコーンとリアから転倒。自分の想定の遥か上を行く温度依存性であり、熱が入っている状態とはまったく異なるキャラクターで、【100】が突然【0】になるような滑り方に驚く



● 直後に再転倒(10月5日)
冗談抜きにコーナーは徐行、加減速はしっかり荷重をかけてタイヤを揉む、これをまず3周(約3分)しっかりやってから少しだけペースを上げてみる。そして4周目の4コーナー(下りシケイン)、進入時に右にバンクさせていって、そのままリアタイヤがスコーンと抜けて転倒。数周のウォームアップで多少なりタイヤ温度は上がっていたと思われるが、最初の転倒時と同じように、やっぱり【100】が突然【0】になるといった滑り方で一気に転倒
車両はステップ補修だけで走行可能だったため、この日の午後は、ここまでの経験を基にペースアップを本当に少しずつと決めてタイヤ温度変化を測定。

午前と同じようなペース感で、転倒時と同じように3周ウォームアップを行って測定。フロントは25度、リアは30度程度までしか上昇しておらず、これではまだ全然駄目だったと再確認。以後、加減速でしっかりタイヤを揉む&コーナーはストリート走行レベル、といったウォームアップを10分程してもリアタイヤ50度に届かず。とはいえグリップ感は出てきていたので、続けて3周程度の軽いアタック(ベストの1秒落ち程度)をした後で、やっとリアタイヤが60度付近。

ここまでウォームアップに難儀するとは思ってもいませんでした。これじゃ夏場以外は走行時間がもったいないだけになってしまうので、タイヤウォーマー購入を決断。



● タイヤ2セット目を投入(10月16日)
前回の反省から、作動温度領域に上がるまでは目一杯の走行は絶対にしないと心に決めて走行。ここで新品の2セット目のタイヤを投入。前回より天気は良く、路面も朝イチで25度はあったが、まだ注文したウォーマーは届いていないし、慎重にウォームアップして本当に少しずつペースを上げる走らせ方をして、この日は無事に無転倒。

確実に熱が入ったと言える状況だと、夏場と同じように滑り出しは掴みやすく、ほぼ同じフィーリングで走れた。その時のリアタイヤ温度が50~60度。走っていたのは茂原ツインサーキット東コースだが、以前のベストタイムも僅かながら更新できた。なんとなくリアタイヤは50度、フロントタイヤは40度を越さないと、本来の粘りのあるグリップが得られないという印象

しかし、、、やはりこれほどウォームアップに神経使うのでは本末転倒だと痛感。1日のうち8割くらいはウォームアップしているようなもの。プロダクションタイヤはウォーマーとセットだという話を改めて実感する。舐めていた自分に反省。



● 梨本塾(トミン)でまた転倒(10月30日)
当日朝は真冬の様相。気温10度少々、路面温度10.5度、タイヤ温度8.5度、、、しかも天気は曇天で、まったく気温も路面温度も上がらない午前中は、ここまでの学習経験で慎重に慎重に走らせる。正直、何のために走っているんだという気持ちになってくるが、まだウォーマーが手元に届いていないので、、、ガマン。

特に、あまり使われない左側は連続30周くらい走ってもまだフィーリングが怪しい。走行時間の最後に1周だけ軽くアタックしてみるも、自己ベストから0.5秒以上遅いタイムしか出せない。今日は我慢の日だと心に言い聞かせる。

午後イチのタイムアタックが『5分程度のウォームアップ+10周アタック』と聞き、早く熱入れをしたいという気持ちは多少なりあったと思う。5分ウォームアップ後、アタックが開始された直後に転倒。自分のペース感としてはまだ29秒前後の雰囲気だったものの、あと10周しかないという気持ちが無意識なアクセルのワイドオープンに繋がったんだと思う。あっさりと1~2コーナー間の左切り返しで転倒。
茂原の時と同じく、やっぱり【100】が【0】になるような一気に破綻する転び方

2コーナーのグラベルまで滑っていき、車体の左サイドで芝刈り。幸い大きなダメージは無し。この時は車載カメラを動かしていたので、転倒の状況を記録として残す。反省、反省、、、(ノД`)・゜・。






● タイヤでしくじった結果のまとめと教訓
以上、淡々と記録として書いてみました。良くも悪くも、色々と自分の想像以上の出来事が多く、とてもお勉強になりました。まあ、転倒による部品交換で多少なりともお金が掛かるお勉強になっちゃいましたけど、まあしゃあなしで (^_^;)

僕なりに感じた、この『ピレリ ディアブロスーパーコルサV2-SC1』というタイヤの印象と、サーキット走行に向けた教訓を最後に書き記しておきませう。(・∀・)


『SC1のタイヤ温度(リア)に関して』
【 ~30度まで 】 まったくタイヤとして機能しないと考えなきゃ駄目。
【 約30~50度 】 街乗りレベルの荷重、負荷、バンク角、これ以上は危険。
【 約50~60度 】 目一杯アタックを除けば、概ね問題なしで走行可能。
【 約60~75度 】 僕の印象だと、たぶんここが一番の作動温度領域。
【 約75度以上 】 熱ダレっぽい雰囲気で限界が下がっている印象。
※ フロントは概ね5~10度ほど低い感じ。


『サーキット走行の教訓(独断w)』
✔ 夏場以外はウォーマー必須!ガチで必須!
✔ ウォーマー無いなら走行の8割は熱入れだと割り切れ!
✔ それが嫌ならスポーツタイヤで楽しく走れ!


このタイヤに関しては、30~40度付近までは突然裏切られるような滑り方をした訳で、本気で要注意だと痛感しました。50度を越すあたりから本来の性能発揮という印象です。他のメーカーでも、今時のプロダクションタイヤは基本的にこういうものなんだろうな。。。

で、断言します。街乗りでは絶対に不要なタイヤですね、夏場以外は逆に危ないだけでメリット皆無です。仮に夏場だとしても、スポーツタイヤ(ロッソコルサ等)以上のグリップ力が必要な旋回時の荷重なんか掛けている時点で大問題です、いやほんとに。(^_^;)


ま、こんなところで。 m(__)m



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