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2015年4月15日水曜日

PCXわんぱく169 ボカーン検証

2014年末の走り納めでボカーン (;・∀・)

結果だけ見れば『コンロッドが折れた』という過去の壊れ方と同じに感じる今回のエンジンブロー。ですが、壊れるまでの状況も全然違いますし、破断面からの解析で原因も見えてきます。

という事で、すでに1月には検証済みだったのですが、ブログにまとめていなかったので一応まとめておこうかな、と。(^_^;)

今回はプロの意見もちゃんと聞こうと思い、解析のプロであるwindfarm変態先生のもとへ出向いて検証作業を行いました。変態先生ありがとう ♪ ( ̄▽ ̄) w


腰上の状態。まずこれを見て今までと違うのが一目瞭然です。過去の検証ブログ投稿を見て頂くと分かると思いますが、125クランクAssyでは、根本的な強度不足と思われるコンロッドの小端部根元が破断していたので、小端部がピストンピンにぶら下がっている状態でした。

それに対し、今回はピストンピンに小端部がぶら下がっていません。行方不明です(笑)

また、ピストンスカートやシリンダースリーブは、すべて折れたコンロッドが暴れた事による2次破損ですね。この辺は、前回のボカーンと同じ解釈です。

後の写真でわかりますが、小端部そのものが分断してピストンピンと分離しちゃったんですね。クランクケース内から必死に欠片を集めて並べてみた写真をどうぞ。(^_^;)


たぶん、これでコンロッドを構成していた欠片は揃っているはず、です。この破断面から解析し、今回のエンジンブローの原因推測は以下の通りでございます。

① 小端部の金属疲労が根本原因
ここ以外の破断面は、すべて2次的な要因で引きちぎられていたり、捩じ切れていたりという破断面で、ここだけに疲労破壊の痕跡がありました。小端部のオイル穴左右の部分ですね。ここにクラックが徐々に進行した形跡があり、ほぼ間違いなく根本原因はこれです。

② 周辺を乱打したと思われる打痕多数
小端部が弾け飛んでフリーとなったコンロッド君、当然のように近辺を乱打。ここは打痕が多すぎて正確に破断面は拾えませんでしたが、もしこちらが先に破断したのなら、①の小端部はバラバラにならずピストンピンにぶら下がっていた事でしょう。

③ 強大な横折れ圧力による捩じ切れ
フリーになったコンロッドが、何処かに引っ掛かってコンロッドをへし折った模様です。事実、今回は走っていて『逝った!』と思った直後にエンジンロックしていますので、かなりの高回転から急激にロックが掛かったはずです。
それでこんな捻じ切れの様相になっちゃった訳ですね。

さて、どれほどの高回転から急激にロックが掛かったのか、痕跡からある程度は物語ってくれる写真が以下の写真です。


ウドラフキーがあああ!!Σ(゚Д゚)

いやいや、こんな風になっちゃうモノなんですね。ビックリです(笑)

クランク軸が一気に止まったけど、慣性で回るフライホイールがその余力でウドラフキーを引きちぎったという衝撃事実。急激に止まった際の瞬間トルクが想像を絶します。。。という訳で、以下のモノはこの強大な瞬間トルクの影響を受けている可能性が強く、素直に再利用は出来ません。

【カムチェーン】 切れてないけどゴミ箱直行ですorz
【カムスプロケット】 同様にゴミ箱直行 orz
【プーリー】 内部クラックが怖いのでゴミ箱直行 orz
【Vベルト】 ケプラーの内部破断が恐いので練習走行用限定
【ドリブンプーリー】 トルクカムピンが全然平気だった。けど様子見
【ギアボックス一式】ケースと一緒にゴミ箱直行 orz
【カムシャフト】 タイミングがずれている可能性高いので検査
【ウォーターポンプ】 チェックしてとりあえず再利用&様子見
【フライホイール】 試着して、ブレていなければ再利用


あー。。。色々とカネ掛かりますなあ~(;・∀・)
なにか見落としてそうならご指摘お願いしますw



● 結論
今回のエンジンは、レース&テストコースで1年半使いました。レースイベント20回近く。距離にしてトータル1万キロ少々。2014年の1年間はオイル交換以外はノーメンテ。こんな状態でライフの検証をしていました。
また、運用状態としては基本的に9,500rpm変速。2014年の後半は9,800rpm変速。テストコースで何度も11,000rpm張り付き最高速テスト。パワーチェックで何度も11,000rpmブン回し。こんな感じで酷使してきました。

根本的な強度不足なら、とっくの昔に壊れていたと思われますので、そこまでの弱さではなかったのだと思われます。しかし、限界に近い状態ではあったのだと思います。なので、これ以上の出力を狙っていくと、限界突破してしまう気がします。残念・・・(ノД`)・゜・。

そんなわけで、PCX150のクランクAssyを使った現在の構成の場合は、今回の疲労破壊を一つのベンチマークとするならば、1万キロ以内にクランクAssy交換というライフサイクルで運用するしかないですね。余裕を見るなら5,000キロ以内?

ただ、小型登録して街乗りで使うのなら、小端部ストレスが増える高回転の使用頻度がグッと下がるでしょうから、問題なく運用できるかも知れません。ま、すべては前例がないので予測に過ぎませんけど、僕だったら街乗りならこの構成で使うと思います ♪


以上、PCXエンジンマニアな方の参考になれば幸いです。m(__)m



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