【 日々のちょっとした出来事などはツイッターで呟いています 】わかたくのTwitter

2013年11月14日木曜日

Vマチック変速機構を理解しよう 『その1:基本理解』

いつかまとめよう、まとめよう、、、と、思い続けて数年(笑) スクーターを弄って楽しんで、それをブログに書いている身として、せっかくだからVマチック変速機構の僕なりの解説を書いておこうと思っていたんです。いたんです、、、けどね。やっと手を付けました。(^_^;)

解っている人にとっては当たり前の話でも、解らない人にとってはチンプンカンプンだと思うので、なるべく噛み砕いて書いてみます。がんばるぞw



解りやすいように大雑把な図ではありますが、これを基に解説しますです。(^^ゞ
とにかく全開で加速し続ける、という状況における回転数と速度の推移です。【その1】としては、基本的な仕組みの理解まで、としておきますね。

なるべくPCXに置き換えやすいように、ここでは9,300rpmがレブリミットとして書きます。



● マニュアルトランスミッション(以後MTと表記)の加速をまず想像しよう
図の赤線をまず見てみましょう。あくまで架空の設定ですが、6速まであるMT車を8,000rpmでシフトチェンジしながら加速する状況を想像してみて下さい、このような推移をたどります。これは大丈夫かな? まずこのイメージをしっかりと持っていた方が、Vマチックを理解し易いと思いますので、この推移を頭に焼き付けておいて下さい。

図の赤線を言葉で説明すると、、、

1. 3,000rpmで半クラッチ発進
2. 8,000rpmで2速にシフトアップ
3. 以後、8,000rpmまで引っ張ったら次のギアへシフトアップ
4. トップギアまできたら9,300rpmレブリミットまで加速
5. 5速なら最高速110km/h強、6速なら最高速130km/h弱

実際にその最高速が出るかどうかは、ここでは別問題です。あくまで仕組みとして、ですよ。



● Vマチック変速機構とは
スクーターに乗っていれば誰でも解る事ですが、乗り手の操作はただ一つ。アクセルを開けるだけです。図を例として、もし1速固定なら?、、、30km/h程度しか出ません。もし6速固定なら?、、、これはMT車を想像してみて下さい、とてもじゃないけどトルク負けして走り出せないでしょう。上手に動き出したとしても、回転が低すぎてまともに加速しません。

なので、MT車におけるシフトチェンジ操作と同等のことを自動的にやってもらいましょう、というのがVマチック変速機構の基本です。また、走り出しの半クラッチ状態も、遠心クラッチという機構を使うことで自動化しています。

スクーターを全開加速する状況を想像してみて下さい。エンジン回転の音を想像してもらうと解り易いかと思います。先に書いたMT車の状況と照らし合わせながら書きますね。

図の紺色の線が、Vマチック変速機構の推移になります。


1. アクセル開けると動き出す(MT: 3,000rpmで半クラッチ発進)
図で見比べ易いように、Vマチックは5,000rpmで半クラッチ状態としてあります。深い意味はありません(笑) ここで遠心クラッチがMT車の半クラッチ操作と同じ事を自動でやってくれています。MTにおける1速レベルの速度と回転に一致する状態に到達するまで、この状態です。

2. 少し間をおいて回転が上がる(MT: 8,000rpmで2速にシフトアップ)
発進時の音を想像しましょう。『う~、うぃ~~ん』って感じで、一息ついてから回転が上がります。この『うぃ~~ん』と回転が上がる部分が、MTにおける1速での加速です。ただ、そのまま回転が上がり続けることはなく、アクセル全開のままでもある特定の回転数までしか上がりません。ここからVマチックの変速機構がお仕事を始めます。
スクーターで『変速』と呼んでいるのは、MTにおける『シフトチェンジ』だとご理解下さい。

3. 回転数(音)が一定のまま速度が上がる(MT: 8,000rpmで順次シフトアップ)
Vマチックは無段変速という仕組みのため、MTのように回転の上下は無く、概ね一定の回転数でジワジワと変速が進みます。MTの回転上下と比較しやすいように、その上下の真ん中あたり、ここでは7,000rpmで変速としています。これが、俗に言う『変速回転数』という数値です。
仕組みとしては、この部分がウェイトローラー(以後WRと表記)によってドライブプーリーが押し出され続ける部分で、ドリブンプーリーとの間でVベルトが移動し続ける状態となります。

4. ある速度以降、速度と共に回転が上がっていく(MT: トップギアでの加速)
ドライブプーリーが押し出されきると、そこで変速終了です。MTにおけるトップギアの状態となります。図ではMTの5速の状態と同等、という事にしてあります。今回は7,000rpmでの変速としてグラフを書いているので、PCXの純正プーリーの場合はWR13~14g程度です。この状態だと、概ね速度が80km/hくらいからは、速度と共に回転(音)が上昇していくのが想像できるでしょうか?

5. レブリミットで最高速到達(MT: トップギアでのレブリミット最高速)
ここはいたって単純です。MTのトップギアでレブリミットまで引っ張るのと同様です。変速がこれ以上進まない訳ですから、レブリミットに到達した時点での最高速以上はどうあがいても出ません。なので、図のMT6速のような状態が欲しければ、駆動構成を換えるしかない訳ですね。いわゆるワイドレンジなプーリーへの交換、という事になります。



さてさて、Vマチック変速機構がどのように『変速』という仕事をしているのか、という基本はなんとなく伝わったでしょうか?(^_^;)

ただ、これだけではまだ基本のみ、です。実際の走行では、ここに加減速やら一定速度の巡航やら、様々なシチュエーションが絡んできます。【その2】では、そうした状況変化におけるVマチックの素晴らしいお仕事振りを解説しようと思います。

【その3】が、駆動系セッティングを進める上での各パートの更なる理解、って感じかな?


・・・ああ、疲れた。【その2】はいつかって?気が向いたら書く!wwww




0 件のコメント:

コメントを投稿